投資信託に興味はあるけれど、何から始めたらいいんだろうと思っている20代の方へ。
投資信託を始める際に、以下のように悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?
- 投資ってなんだか難しそう
- まだ自分には早いかも
- 投資はリスクがあるって聞くし……
この記事では、そんな悩みを抱える20代の方に向けて、投資信託の始め方や20代で投資信託を始めるメリットなどについて、徹底解説します。
わたしは、会社員として銀行で10年以上勤務し、投資信託の販売経験も積んできました。
実際に自分でも投資信託を保有しており、その経験をもとに書いています。
この記事を読めば、20代で投資信託を始めるメリットや実際の始め方がわかるので、ぜひ最後までご覧ください。
投資信託とは?

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を、専門家が株や債券などに分散投資して、運用・管理してくれる金融商品のことです。
自分でひとつずつ銘柄を選んで売買する手間がないため、初心者の方でも手軽に始めやすいのが特徴です。少額から投資を始めることができ、長い目で見た資産づくりにも適しています。
代表的な投資方法には、投資信託のほかに株式投資もあります。株式投資は、自分で企業を選び、その企業の株を購入して運用します。
企業の業績や市場の動きによって株価が大きく変動するため、投資信託よりも値動きが激しく、リスクも高い傾向があります。
一方、投資信託は、さまざまな銘柄や業界に分散投資することで、特定の企業の影響を受けにくく、リスクを抑えられることがメリットです。
また、専門家が運用してくれるため、投資が初心者の人でも安心して始められるでしょう。
投資信託の買い方は3つ

投資信託に興味はあるものの、「どうやって買えばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
投資信託の買い方には、主に3つの買い方があります。それぞれの方法に特徴があり、自分に合ったスタイルを選ぶことが大切です。
ここでは、投資信託をはじめるために知っておきたい3つの買い方について、わかりやすく解説します。
その買い方とは、
- 一括購入する
- NISA枠で一括購入する
- つみたてNISAで購入する
の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
一括購入する
一括購入とは、一度にある程度まとまった金額で投資信託を購入する方法です。
たとえば、ボーナスで10万円分の投資信託を購入するといったケースがこれにあたります。
一括購入のメリットは、価格が安いタイミングで購入できれば、将来的に大きな利益を得られる可能性があることです。
特に、相場が低迷しているときに購入すれば、その後の回復局面で大きなリターンを期待できます。
一方で、購入のタイミングによっては、価格が高いときに買ってしまい、その後値下がりして損失を被るリスクもあります。
そのため、「タイミングを見て一気に資産を増やしたい」と考えている人に向いている買い方だと言えるでしょう。
なお、投資信託で得た利益には20.315%の税金がかかるため、利益が出てもそのまま全額を受け取れるわけではない点には注意が必要です。
NISA枠で一括購入する
つづいては、NISA枠で一括購入する方法です。NISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、投資で得た利益に対して税金がかかりません。
年間240万円までの投資額に対して、運用益が非課税となるため、効率よく資産形成を目指せます。
通常の一括購入と同じように、タイミングを見てまとまった資金を投資しながら、税制優遇を受けられるのがメリットです。
特に、長期的な資産形成を目指している人や、少しでも手取りを増やしたいと考えている人にぴったりの買い方です。
ただし、NISA枠には1年間で使える上限があり、損失が出てもその分を翌年に繰り越したり、枠を再利用したりすることはできません。
また、NISA口座は原則として一つの金融機関でしか開設できないため、金融機関は慎重に選びましょう。
まとまった金額で長期的に資産を運用しながら、税金対策もしたいという人には、NISA枠での一括購入がおすすめです。
つみたてNISAで購入する
つみたてNISAとは、毎月一定額を積み立てながら、非課税枠を利用して投資信託を購入する方法です。
年間120万円まで、つみたてNISAで投資することが可能です。初心者でも少額から手軽に始められるため、非常に人気があります。
たとえば、毎月1万円ずつ積み立てるといった形で、まとまった資金がなくてもコツコツと資産を増やせます。
また、つみたてNISAでは「ドルコスト平均法」により、価格変動のリスクを抑えられる点もメリットです。
ドルコスト平均法とは、価格が高いときには少量、安いときには多めに購入することで、購入単価を平均化できる仕組みのことです。
これにより、価格の上下に一喜一憂せず、長期的なリスクを抑えながら投資を続けられます。
購入するタイミングを考える手間が省けるうえ、相場に大きく左右されにくいため、初心者の人でも安心して始めやすいでしょう。
まとまった資金が必要ないため、20代など若い世代が早いうちから資産形成をスタートするのに特におすすめの方法です。
主な投資信託の種類

投資信託にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる値動きをします。
複数の種類を組み合わせて保有することで、リスクを分散しながら安定的な資産運用を目指せます。
また、商品ごとにリスクやリターンの特性も異なるため、自分の目的や投資スタイルに合った商品を選ぶことが大切です。
ここでは、初心者にもわかりやすい代表的な投資信託の種類をご紹介します。それぞれの特性を理解して、自分に合ったファンド選びの参考にしてください。
代表的な投資信託の種類は、以下の通りです。
種類 | 特徴 |
---|---|
国内株式型投資信託 | 日本国内の企業(国内株式)に投資。日経平均株価やTOPIXに連動するインデックス型も人気。 |
外国株式型投資信託 | 米国株や全世界株式に投資。成長性を重視したい人におすすめ。 |
国内債券型投資信託 | 日本国内の債券に投資。価格変動が小さく、リスクを抑えた運用を目指す人向け。利回りはやや低め。 |
外国債券型投資信託 | 海外の債券に投資。為替リスクはあるが、国内債券より高い利回りを期待できる場合も。 |
REIT(不動産)型投資信託 | 商業施設やオフィスビルなどの不動産に投資。家賃収入などからの分配金が魅力。 |
バランス型投資信託 | 株式・債券・国内・海外にバランスよく投資。リスクを分散できるため、初心者にも人気が高い。 |
どの種類を選ぶべき?
どの投資信託を選ぶかは、「いつまでに」「どれくらい資産を増やしたいか」という目的によって変わります。
また、自分がどれくらいリスクを取れるか、値動きの大きさに耐えられるかも、商品選びの大切なポイントです。
「できるだけ安定して資産を増やしたい」という人は、国内債券型やバランス型の投資信託がおすすめです。
「リスクはあっても、高いリターンを狙いたい」という人は、外国株式型にチャレンジしてみてもよいでしょう。
また、一つの種類に絞るのではなく、株式型と債券型を組み合わせたり、国内と海外の資産をバランスよく持ったりすることで、リスクをさらに抑えられます。
大切なのは、無理にハイリスクな商品を選ばず、自分のペースで続けられる運用スタイルを見つけることです。
投資信託は長く続けるほど、資産形成の効果が実感しやすくなるため、焦らず一歩ずつ進めていきましょう。
20代におすすめの投資信託の始め方

ここでは、これから投資信託を始めたいと考えている20代の人に向けて、無理なく続けられる投資信託の始め方をわかりやすく解説します。
その始め方とは、
- 証券口座を開設する
- ファンドを選ぶ
- 毎月の積立額を設定して放置する
の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
証券口座を開設する
まず、投資信託を購入するためには、証券口座の開設が必要です。
ネット証券を利用すれば、自宅からスマートフォンやパソコンで簡単に手続きができます。
特におすすめのネット証券は、以下の3社です。
- SBI証券
100円という少額からつみたてNISAをはじめられるほか、クレジットカードで投資信託を購入することも可能。さらに、VポイントやPayPayのポイントも貯まるため、普段の生活でお得に活用できます。
- 楽天証券
こちらも100円から積み立てができ、投資信託の買付手数料は無料。楽天ポイントが貯まるので、楽天市場をよく利用する人に特におすすめです。
- マネックス証券
NISA口座での取引手数料が無料なうえ、dポイントやマネックスポイントが貯まります。dポイントを利用する人に向いています。
証券口座を開設するには、公的な本人確認書類と個人番号(マイナンバー)確認書類が必要です。一般的には、マイナンバーカードが1枚あれば、スムーズに口座開設ができます。
口座開設の際には、NISA枠(つみたてNISA)を使用する設定を忘れずに行いましょう。
NISAを活用すれば、運用で得た利益に税金がかからないため、資産をより効率的に増やせます。
ファンドを選ぶ
証券口座を開設できたら、つぎは投資するファンド(商品)を選びましょう。
ファンド選びに迷ったら、前章で紹介した「投資信託はどの種類を選ぶべき?」を参考にしてみてください。
ただ、投資信託にはたくさんの商品があるため、投資が初めての人は、つぎの3つのポイントを押さえて選ぶのがおすすめです。
- インデックス型を選ぶ
インデックス型とは、日経平均株価やS&P500など、市場全体の動きに連動する運用を目指すファンドです。動きがわかりやすく、運用コストも安いため、投資が初めての人に向いています。
- 信託報酬(手数料)が安いものを選ぶ
信託報酬とは、ファンドの管理にかかる手数料のことです。元本に対して年率0.5〜2.5%程度が一般的ですが、できるだけ年率1%未満の低コストな商品を選びましょう。
- つみたてNISA対応の商品か確認する
つみたてNISAを活用すれば、運用益が非課税になります。「つみたてNISA対象」と記載された商品を選び、非課税のメリットをしっかり活用しましょう。
毎月の積立額を設定して放置する
20代の人には、まとまった金額を一括購入するよりも、つみたてNISAを活用してコツコツと積み立てる方法がおすすめです。
ファンドが決まったら、つぎは毎月の積立額を設定しましょう。積み立て設定しておけば、あとは自動で毎月買い付けてくれるので、手間なく続けられます。
積み立てをして放置することで、日々の相場に一喜一憂することなく、長期的に資産を増やしていくことが可能です。
短期的な値動きに振り回されず、コツコツと積み上げることが、投資信託で成功するためのポイントです。
最初は少額からはじめて、慣れてきたらライフスタイルや収入に合わせて、少しずつ積立額を増やしていくといいでしょう。
20代で投資信託を始めるメリット

20代から投資を始めると、時間を味方につけながら資産運用できます。
ここでは、20代で投資信託を始めるメリットについて、わかりやすくご紹介させていただきます。
そのメリットとは、
- 長期保有ができる
- 自由に使えるお金がある
- 投資に慣れる時間が十分にある
の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
長期保有ができる
投資信託は、時間をかけてじっくり資産を育てる「長期投資」に向いています。
20代で投資信託を始めれば、長期間にわたって運用できるため、資産形成において大きなメリットになります。
長期保有の最大の強みは、複利効果を活かせることです。運用益を再投資していくことで、資産が雪だるま式に増えていきます。
たとえば、年利5%で運用した場合でも、10年後と30年後では資産の伸び方に大きな差が生まれます。長く運用するほど複利の効果は大きく働くため、早めに始めるほど有利です。
一方、普通預金に資金を預けていても、現在の金利では資産がほとんど増えません。
資産を増やしたいなら、できるだけ早いうちから投資を始め、長期的に運用を続けることが大切です。
「時間」という強みを活かせる20代だからこそ、投資信託で資産形成していきましょう。
自由に使えるお金がある
20代で投資信託を始めるメリットの一つは、自由に使えるお金があることです。
社会人として働き始めると、定期的な収入が得られるようになります。まだライフイベントが少ない20代の時期は、自由に使えるお金が多く、投資に回しやすいタイミングでもあります。
30代に近づくと、結婚、出産、住宅購入といったライフイベントが増え、出費も大きくなります。
さらに、子どもが生まれれば、教育資金なども必要になり、自由に使えるお金はどんどん減っていくでしょう。
だからこそ、20代のうちに投資信託を始め、コツコツと資産形成を進めておくことが大切です。
たとえば、毎月1万円だけでも積み立てる習慣をつけておけば、無理なく将来への備えができるようになります。
将来の自分への「自己投資」として、少しでも投資信託にお金を回しておくことで、数年後に大きな差となって返ってくるでしょう。
投資に慣れる時間が十分にある
20代から投資信託を始めることで、早い段階から投資に慣れることができます。
投資は本を読んで理解するだけでなく、実際にお金を動かしてみて、初めて気づけることや、学べることがたくさんあります。
価格が下がったときにどう対応するか、焦らずに持ち続けるべきか、損切りするべきか。こうした判断力は、経験を積み重ねれば自然に身についていきます。
もし失敗しても、20代なら時間がたっぷりあるため、取り戻すチャンスも十分にあります。
若いうちに投資経験を積んでおけば、30代以降に大きな資産を動かす必要があるときでも、冷静な判断ができるようになるでしょう。
投資経験は、一生使えるスキルです。だからこそ、20代のうちから実践を通して「お金を育てる感覚」を身につけるのがおすすめです。
投資信託を始める際の注意点

投資信託を安心して始めるためには、事前に注意しておきたいポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、投資信託を始める際の3つの注意点をご紹介させていただきます。
その注意点とは、
- リスクがあることを理解する
- 余裕資金で投資する
- 少額から始めてみる
の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
リスクがあることを理解する
投資信託を始める際は、リスクがあることを理解しておくことが大切です。
投資信託は、株式や債券など、価格が変動する金融商品に投資する仕組みです。そのため、購入後に価格が下がれば、一時的に損失が出る可能性もあります。
具体的には、10万円で購入した投資信託が9万円に値下がりすると、その時点で1万円の含み損となります。
ただし、ここであわてて解約しなければ、その損失はまだ確定しません。そのまま保有を続けることで、価格が回復する可能性も十分にあります。
もちろん、すべての商品が必ず値戻りするわけではありませんが、長期的に見れば回復する傾向が高いとされています。
運用状況を定期的に確認しながら、必要に応じて追加投資するなど、柔軟に対応していくことが大切です。
価格が下がったタイミングで購入すれば、平均取得単価を下げる効果も期待でき、将来的な利益につながることもあります。
リスクを正しく理解し、焦らず冷静に対応していく姿勢が、投資信託を長く続けるためには欠かせません。
余裕資金で投資する
投資信託を始める際は、余裕資金で投資することがとても重要です。
投資信託は、長期的に資産を増やすことを目的とした商品です。そのため、すぐに使う予定のあるお金で投資してしまうと、思わぬ損失を抱えるリスクがあります。
たとえば、急にまとまった資金が必要になり、保有していた投資信託を解約しなければならなくなったとします。
もしそのタイミングで価格が下がっていた場合、損失が確定してしまうことになるのです。
一方、余裕資金で運用していれば、価格が下がっているときでもあわてて売却する必要がありません。
そのまま保有を続け、価格が回復してから売却することで、損失を回避しやすくなります。
投資信託の価格は、世界情勢や景気動向などによって常に変動します。余裕資金で運用していれば、価格の変動にも冷静に対応でき、リスクを抑えることが可能です。
少額から始めてみる
「投資は怖い」「損をしそうで不安」と感じている人は、まずは少額から始めてみましょう。
現在は、100円や1,000円からつみたて投資信託を購入できる証券会社も多く、無理のない金額で投資をスタートできます。
少額であれば、もし価格が下がったとしてもダメージが小さくて済みます。そのため、リスクを抑えながら、投資の仕組みや値動きに少しずつ慣れていくことが可能です。
まずは無理のない金額で始めてみて、慣れてきたら徐々に投資に回す金額を増やしていくのがおすすめです。
収入や支出のバランスを見直しながら、少しずつ投資に回す金額を増やすことで、負担感なく資産を育てられます。
そんなふうに段階を踏んでいけば、安心して投資信託を続けられ、将来に向けた資産形成につながるでしょう。
20代の投資信託の始め方のまとめ
- 20代の方が、投資信託を始めるなら「つみたてNISA」がおすすめ
- つみたてNISAなら、少額から始められて、運用益に税金もかからないのでお得
- 20代という早い段階から投資信託を始めれば、複利の効果を最大限に活かせるため、効率的に資産運用ができる
この記事では、投資信託の始め方や20代で投資信託を始めるメリットなどについて解説させていただきました。
20代は、時間という大きな武器を活かして、資産形成をスタートできる貴重な時期です。
まずは、自分のライフプランや資産形成の目標を考えたうえで、無理のない金額で積み立て投資をスタートしましょう。
最初は不安を感じるかもしれませんが、少額からコツコツと続けることで、投資への理解も自然に深まります。
この記事でご紹介した、20代におすすめの投資信託の始め方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。